中間的就労について

 中間的就労とは、すぐに就労することが難しい方に一定の配慮と支援をすることで働くことを促進する取り組みのことです。

取り組みを知ってみましょう!

自立支援プログラムからはじまった「中間的就労」という概念

釧路市では生活保護を受給している方が自立した生活を送れるように
「自立支援プログラム」に取り組んできました。
その特徴は、地域のボランティア活動などを通じて、
誰もが居場所を持ち、社会で活躍できることを実感しながら、
その人自立を図っていくことにあります。

自立の新しい形を目指す

自立の新しい形を目指す

「中間的就労」の場は、直ちに一般就労を目指すことが
困難な人に対して、下記の3つを目指す場です。

  1. ① 社会参加による自尊心の回復
  2. ② 働くことで社会で活躍すること(対価の有無に関わらず)
  3. ③ 支え合う地域の一員となること

そのために私たちは、社会参加支援、活躍支援、福祉的支援などを行います。
繰り返しになりますが、このような支援を受けながらも、
社会で活躍し地域を支える側にもなる
「中間的就労」は、自立の新しい形だと考えています。

①社会参加による自尊心の回復、②働くことで社会で活躍、③支え合う地域の一員となる

「中間的就労」という新しい自立の形

「中間的就労」の場が生み出す変化

生活面の変化

「疲れて帰って来て、夜眠れるようになったんです。
朝起きてみて気付くんです。 夜眠れたことが
こんなに良いものなんだって。 私、体が動く限りやりますよ。 」

疾病など心身の状況や家庭環境等は人により様々ですが、
外出することは少なく引きこもりがちの人が多かった
参加前の状況に比べ、「規則正しい生活を送れるようになった。」
「体を動かすようになり、生活のリズムが改善された。」
「部屋を片付けられるようになった。」
といった意見が多くあげられています。

社会面の変化

「利用者のおじいちゃんから “いつもありがとう”
って言われたの。 実は私とそんなに年変わらないけどね。
こんな私でも役立ってるって思ったら嬉しくてね。」
「俺、少しずつだけど、変わってきたかもしれない。
人生いつでもやり直せるって思えるようになってきた。」

人と会話をすることが苦手、他者と関わることを避けていたなど、
外部とのコミュニケーションの機会がほとんどなかった方にとっては、
他者とのコミュニケーションが生まれたことにより、
「家族以外と会話する機会が増えた。」
「家族以外の人と話せるようになった。」
「人と会うことが楽しいと思えるようになった。」
といった声が寄せられています。

就労面での変化と目標設定

前述した外出機会が少ないことによる人とのコミュニケーション
不足、疾病等の影響もあり、中間的就労の場の参加に積極的ではない
参加者が居ましたが、参加後、「パートタイムの仕事ができるようになりたい。」
「作業参加を継続したい。」「一般就労は難しいが中間的就労は継続したい。」
などの声も生まれています。

安定した生活のリズムを継続することに重きを置くとともに、
一般就労自立を目指す人も出てきています。

ペイドワーク(金銭的対価が発生する労働)は、
「責任感が生まれ、自分の都合よりも仕事を優先するようになった。」
という声も出ています。

成果報酬により自ら目標を設定、仕事に対する意欲が高まるだけでなく
「目標を達成するための新たな工夫が生まれるようになった。」 という参加者もいます。

小さな変化の可視化を目指して(KPS ビジュアライズツールの活用)

ビジュアライズツールとは、利用者の評価実績に連動して必要な項目が自動的に表示されるため、職員の習熟度に依存せず誰でも利用者のタイムリーな状態を把握することができ、適切な支援を行うことを可能とした仕組みです。

これまで就労自立に注目するあまり、利用者の方がたの日常生活の改善や、社会的能力の獲得、就労意欲の向上などの小さな変化を捉えるという視点が弱かったのではないか感じています。
そして、支援員の主観的な意見だけでは、周囲に適切に伝わらないことが課題でした。 そこで、このツールを活用することで、数値化・グラフ化でき、利用者の小さな変化を可視化。
「中間的就労自立」へのご理解を広げようと取り組んでいます。

中間的就労について、詳しくはこちらからお気軽にお問合せください。

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釧路市生活保護自立支援プログラム全体概況

※R2年4月現在

釧路市生活保護自立支援プログラム全体概況

ボランティアができたら(社会生活自立)、すぐに仕事ができる(就労自立)となりがちです。
しかし、自尊・尊厳を基本とする自立の形や働きの形は人それぞれ。そこで私たちが考えたのは、年金や手当などの社会保障や福祉的支援に支えられながらも、各々の働き方・社会参加ができる「中間的就労自立の場」創出することです。

自立のあたらしい形

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漁網の整網作業

❶ 実施経緯
漁業は、釧路市・厚岸町の基幹産業であるが、その下支えをしている漁網業界の現場(整網作業)で高齢化が進み、担い手不足により業界の存続が危惧されています。
さらに、整網作業は機械化するのが困難であり、今後も手作業に頼るしかないのが現状です。
新たな担い手が生まれない大きな要因は、作業の習熟度が上がらないと、一定の収入が得られないことにあります。そこで、本協議会の取り組む中間的就労の場として、整網作業に取り組み、双方の問題の同時解決を図ることを目指しました。
❷ 実施内容・方法
目割表(指示書に該当)に則り、網にアバ棚(浮き付ロープ)と下棚(重りとなる鉛入りのロープ)をアバリという専用の道具を使用して括り付ける作業(仕立て作業)がメインです。その他、タコヤメやカニカゴの作業もあります。
工賃は、作業の種類、内容、納品先等によって異なり、メインとなる仕立て作業では1反あたり1,000~1,500円程度が参加者本人に支払われます。

実施開始
実施場所

実施開始
平成24年12月より
実施場所
ビケンワークビル2F(当協議会の事務所は1Fに入居)

ふまねっとの製造作業

❶ 実施経緯
「ふまねっと運動」とは、網を踏まないように注意深く、ゆっくり慎重に歩く運動です。ステップを間違えることで笑顔と会話と交流が弾み、無理なく楽しく継続できるからだに優しい運動であり、歩行機能や認知機能の改善、うつやとじこもりの予防に効果が期待できる運動です。
ふまねっとは、サケ漁の定置網の保護に使うゴムを升目状にした網のことで、高齢者の歩行及び認知機能の改善を目的として、手拍子に合わせて利用者が網の目をまたぐふまねっと運動に用いられています。この運動は全国の医療機関や福祉・介護施設で利用されており、介護高齢の現場において重要なツールとなっています。ふまねっとの価格は1セット3万円前後で販売されています。既に全国ベースで多くのニーズがあるため今後の市場の成長に期待が持てますが、製作する人材が不足しており、迅速な納品に対応できない課題がありました。
ふまねっとの製作は、機械化するのが困難であり、今後も手作業に頼るしかないのが現状です。本協議会では漁網の整網作業に続く中間的就労の取組みを模索していたことから、双方の条件が合致したため取り組むことになりました。
❷ 実施内容・方法
ロール状になった幅約5㎝のゴム(定置網の防護材)を決まった長さに切断し、寸法に合わせて並べ、重複ヶ所(裏表各20箇所)を瞬間接着剤で接着する。その後、接着部分にレザーパンチを使用し穴を開け、カシメと呼ばれる金具をつます。1日あたり1人1枚のペースで作成されており、2枚1セットで作業工賃2,500円が参加者本人に支払われ、参加者一人平均月あたりの作業工賃は、15,000円~20,000円となっています。

実施開始
実施場所

実施開始
平成25年5月より
実施場所
ピケンワークビル2F(当協議会の事務所は1Fに入居)

釧路市指定ごみ袋の封入作業

❶ 実施経緯
当協議会で行なっていた整網作業やふまねっと製造作業は、ある程度の技術習得が必要な作業であり地域の担い手育成という側面が強く、生きがいや生活自立の訓練といった面での「気軽な参加」の場所ではありませんでした。一方、高齢者が気軽に参加できる自立支援プログラムの場を模索していました。
そこで、就労準備支援の初期段階や高齢者の生きがいの場や、従来の取組みよりは気軽な参加が可能な場として活用するため、平成26年6月からの1ヶ月間の試験実施を経て、本格的な実施の運びとなりました。
❷ 実施内容・方法
釧路市指定の有料ごみ袋の検品を行いながら、10枚を1セットとして折りたたみ、枚数や重量を計量し、外袋に封入する作業。 さらに出来上がった20セットをダンボールへ梱包していく。

実施開始
実施場所

実施開始
平成26年6月より
実施場所
ピケンワークビル4F(当協議会の事務所は1Fに入居)

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